看護師の立場から学習障害のケアをする際の心得

明確な治療法が学習障害にはないと言われています。そのため、医療の現場でできることはあまりはっきりとしておらず、どちらかと言えば、日常生活のサポートや将来性を広げるためのサポートが重視されているようです。また、学習障害に起因する二次障害を引き起こさないような支援も大切になります。そこで、学習障害に対して看護師はどのようなサポートを行うべきなのかを、ここでお話したいと思います。

学習障害と言っても、苦手なことは患者によって様々です。字を認識しづらかったり、言葉が上手く聞き取れなかったり、算数ができないなど、不得意なことは個人差があります。したがって、学習障害の患者の看護をするときには、まず何を不得意としているのかを知り、適切なサポートをしていくことを考えなければなりません。例えば、字を大きく書いたり、ゆっくり大きな声ではきはきと話すようにしたり、看護する人の苦手なことに合わせたアプローチをしましょう。

また、学習障害により、二次障害を引き起こす可能性を回避するための支援も重要です。具体的には、うつ病や不安障害、依存症などの心の病の防止です。心の病は、「みんなはできるのに自分はできない」という気持ちから引き起こされることが原因になっている場合が少なくありません。そのため、二次障害を防ぐためにも、学習障害の方と接する際には、日頃から心のケアに努める必要もあるでしょう。そして、些細なことでもできたことは褒めて、できなかったことを責めないように気をつけなければなりません。また、表情や身体に変化や違和感がないか、看護中はしっかりと気にかけることも重要です。