情報の整理と家族のケアの重要性について

子どもに多い学習障害は、全般的な知的発達の遅れはないと言われています。読み書きや計算、または推論能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示す状態を指します。例えば、「め」と「ぬ」という文字のように似ている文字の判断が難しかったり、漢字は読めるが書くことは出来ないなどが特徴として挙げられています。これは、中枢神経系の機能障害が原因であると考えられており、社会性や運動、情緒面での困難さも併せ持つ場合が少なくないようです。

そこで、学習障害の子どもを看護する場合は、まずアセスメントにより、適切な学習方法を見つけることが大切だと言われています。そして、個別の教育支援計画や指導計画に沿った支援を行う必要があります。さらに、集中力や運動能力に困難を抱えるケースもあることから、学習面だけではなく、総合的な看護が求められます。

看護の具体的な方法として、情報を整理して理解しやすい形にしておくことがポイントです。一部の能力が著しく欠落している場合は、情報を一気に詰め込まれても整理することが困難になります。そのため、テストは1ページに複数問題を詰め込むのではなく、1つの問題に絞った方が情報が整理しやすくなります。また、情報を理解しやすくするために、補助的道具を使用することも必要です。

それから、本人だけではなく家族の支援も忘れてはなりません。学習障害は、学習の場面において初めて問題が浮かび上がってきます。そのため、「自分の子どもは他の子とは違う」と悩んだり、育てにくいと感じる家族は少なくないようです。したがって、そういった家族の不安を取り除くことも看護においては重要なのです。